249GHz帯 申請理由書(その2)   2002-8-14   JA1ELV 太田永茂  先般(2002-5-7付)簡単な249GHz帯 申請理由書を提出しましたが、これにつきもう少し具体的   に実験詳細を申し述べ、申請理由書の補足とさせて頂きます。 1. 249GHz帯での大気圏損失を実験より逆算し、総合伝搬損失―実用通達距離特性をつくり日本 はもとより世界に発表します。 現在、ミリ波における大気圏損失の要因としてH2O,O2による大気圏損失とか、降雨量による大気 圏損失等の文献がアメリカ、イギリス等で見られますが、何れも個々の科学的推察に等しいもの で実働、実用面でのデータ−を見ることが出来ませんでした。私は47GHz帯、75GHz帯で総合 伝搬損失―通達距離特性を作り(添付資料)マイクロウエーブミーティング等の講演で発表して おります。現在、135GHz帯の特性図も製作中です。どうか249GHz帯でも大気圏損失の実験、    研究をさせて下さい、そして特性図も製作させて下さい。近い将来、プロ,アマ問わず伝搬損失 の参考資料としてお役に立てる日が来ると確信しております。 2. 光学レンズをアンテナに使用した技術研究をします。 レンズアンテナに付いてはドイツが一歩進んでおりまして、わずか8cmφの凸レンズで30dB 以上のゲインが得られたとか、 また135GHz帯でもレンズ効果はあるが249GHz帯の方が比較 にならないほど顕著にレンズ効果が表れるといっております。理論的には波長が1/2になればアン テナ感度は4倍(6dB)の効果ということになるのですが、光に近くなるほどレンズ倍率が上が り従来の電波論理では解決できない光学論理が働くものと思われます。 このように電波が光に変わるような周波数領域において、たとえアマチュアとて未知への研究開発 を推し進めてこそ明日の科学、世界の科学発展に寄与できるものと思います。 どうか135GHz帯では味わえない249GHz帯でのレンズアンテナの技術研究が実施出来ますよう、 ライセンス認可のお願いを申し上げます。 3. パラボラアンテナの限界に挑みます 135GHz帯までは従来のパラボラアンテナのほぼ理論値どうりの設計構造でそれなりの性能が得 られましたが、249GHz帯となるとディッシュの機械的表面精度の問題で難しいようです。 249GHzの1/4波長は0.3mmです、ディッシュの理想放物線より0.3mm以上づれますと 逆位相となりアンテナ感度を減衰させることになります。この0.3mmはディッシュの外径部 では製作が困難ばかりか、仮に出来たとしても塑性歪み、経時変化、保管状態等により精度維持 は難しく、直径を大きくしても感度が上がらないゆえんともなっているようです。このためドイ ツ等ではディッシュの精度の良い1/3位の部分だけを使用するとか、パラボラをあきらめホーン型 に変更するとかしているようです。 従来、249GHz帯は高嶺の花として海外のマイクロウエーブ情報を見たり、読んだり、聞いたり したことを、この機会に自分たちの手で実験、研究に勤しみ、遅れた日本のマイクロウエーブ技術 の向上に努めたいと思っております。 重ね重ねお願い申し上げます。